パンドラの鳥籠: 毒草師/高田崇史


パンドラの鳥籠: 毒草師 (新潮文庫)
新潮社
2015-09-27
高田 崇史

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ページ数:382p
発売日:2015年10月

丹後半島で二年前、生薬学者が姿を消した。
地域には三百歳の魔女が棲むといわれる洋館があり、
首なし死体も発見されている。
編集者・西田真規は、薬学の鬼才にして唯我独尊博覧強記の
毒草師・御名形史紋、その助手の神凪百合と共に謎を追う。
浦島太郎の「玉手箱」とギリシャ神話「パンドラの箱」がリンクする時、
謎に繋がる一筋の道が現れる。知的スリルに満ちた歴史民俗ミステリ。
---------------------------
ノベルズ版で揃えたかったので、ずーっと待ってたのに
すっ飛ばして文庫が出てしまった。
それでも待ち続けていたのだが、いいかげん待ちくたびれた。
シリーズ本は、きれいに揃えたいという個人的な拘りを
打ち砕かれた気分ですわ(-。-;)

シリーズ3作目
医療関連の出版社を訪れた美女が、行方不明になった生薬学者の叔父を
探してほしいと依頼してきたことから話は始まる。
何故、出版社に?と思うのも当然だが、そこは一ノ関先生の紹介で、
御名形史紋の力を借りたいということで、この毒草師と唯一親しく?
している西田が連絡役になるのは当然の流れでもある。
あぁ~哀れな西田君・・・
惚れっぽいのが仇となり、きっとまた不幸が襲い掛かる・・・

が!隣の住人である史紋の部屋を訪ねようとした時
なんと、前作の登場人物で、これまた美人で史紋の助手になった
神凪 百合がいた!!
そして、三百歳の魔女が棲むといわれる洋館の話に
史紋が食いついた!
その地域では、首なし死体が発見されており
その謎を含めて捜査に向かうのだが・・・

ってことで、何が気になっていたかというと、
それはもちろん、前作の最後でいきなり史紋の助手になった
神凪 百合のことよ!
でもまぁ~史紋のことだから、当然というか
色っぽい話は全くなかった(^◇^;)ちょっと安心(○ ̄m ̄)

そして、もう一つ気になっていたのが、今回の赤は
どこにもってくるのか?って話よ。
アタシも、それ使わせてほしいぃ~
いや・・・久しぶりのキャラ萌えですからね(^◇^;)

今回の話は、いつもとはちょっと違っていて
謎解きというよりは、蘊蓄の嵐ってところかしら?
首なし死体の犯人も、話の流れで普通にわかっちゃうし
その理由も、史紋がサクッと解説してるし。

それよりも、浦島太郎伝説の蘊蓄がすごかったぁ~
あれもこれも、浦島太郎に繋がるってのに驚いた。
でも、時の権力者によって、都合よく話が作られているってのは
とっても納得いったわ。
歴史は勝者によって作られるっていうのは、昔からの事で
これは自分の先祖のことを考えたら、ごもっともな話で
どうしても残したい事は、関係者だけがわかるように
民話や伝説といったものに形を変えて、受け継がれる。
まさに歴史民俗ミステリ!

日本の昔話って、名前が非常に面倒臭いから覚えられないけど
とにかく驚いた。
神社での参拝にすら、権力者は姑息な手を使っている。
気付いてる人って、いるのかなぁ~(-。-;)
そして特に深いと思ったのが、浦島太郎の「玉手箱」と
ギリシャ神話「パンドラの箱」だったりする。
渡す側の意識というのを考えたことがなかったけど
深いわぁ~!!

今回は、蘊蓄話に大満足でした。
そういえば、西田君は、今回も暴走して危ない目にあってました。
これはもう、お約束ですかね(^◇^;)
っていうか、哀れだぁ~
がんばれ西田君!君の不幸があってこそ、アタシが史紋を楽しめる。
更なる不幸を期待してます(○ ̄m ̄)

★★★★

折れた竜骨 上下/米澤穂信


折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
東京創元社
米澤 穂信

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折れた竜骨 下 (創元推理文庫)
東京創元社
米澤 穂信

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ページ数:290p
発売日:2013年07月

ページ数:264p
発売日:2013年07月

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。
その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士
ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。
ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に
命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、
「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、
沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――
そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?
魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は
果たして真相に辿り着くことができるのか?

現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!
-------------------------------
この著者の作品は、小市民シリーズと古典部シリーズしか
読んだことがなかった。いわゆる、日常の謎系。
そして、本書を読むにあたって、ちょっと勘違いをしておりました。
普通にファンタジーだと思っておりました。
仕入れた情報は寝かせておくと、mokkoの脳内で勝手に変換されるらしい。

購入したら、第64回日本推理作家協会賞受賞作と帯にあった。
(  ° ▽ ° ;) エッ?
これってミステリだったの??
魔術ありなのに、ミステリは無理っしょ!と思ったんだけど、
Mirokuさんが言ってたのよ。
主人公も、弟子も、雰囲気も驚き、感動も
全てがmokkoさんのツボだと思います。と言っていた。
そして翠香さんも楽しんで読んでいた。

(@`▽´@)/ ハイッ 仰る通りでした。
背景も情景描写も、思いっきりツボでした。
そして魔術ありでも、立派にミステリしてました。
理詰めで、立塞がる謎を崩していくのって
本来は苦手なんだけど、背景がしっかりしてるから
苦手意識を感じるどころではなかった。

自然の要塞であったはずの領主が住まう小ソロン。
民が住まうソロン島とは海で隔てられ、簡単に往来はできないはず。
しかし領主は、傭兵を募っていた。
領主の娘アミーナは、父の行動を不思議に思っていた。

しかし、放浪の旅を続ける騎士ファルクと、その従士のニコラに出会い、
領主が暗殺騎士に命を狙われている事を知り、集められた傭兵を領主に
引き合わせる時に、ファルク達を直接紹介することにした。
注意喚起はしていたのに、父は暗殺騎士の魔術に倒れた。

自然の要塞であったはずの小ソロンの領主の城で
領主を殺せたのは誰か?

首を切り落とさないと倒せないという「呪われたデーン人」の
襲来が近い中、ファルクと二コラはアミーナと共に
暗殺騎士の魔術によって、暗殺者「走狗(ミニオン)」にされた
無自覚の犯人を探すために奔走するのだが・・・

いやぁ~理性と論理は魔術をも打ち破る!と文中にもあったけど
本当に理詰めでの謎解きでした。
最後まで犯人の想像すらつかなかった。
ファルクの公開謎解き(○ ̄m ̄)の最後の方になって
ようやく、おかしいと気付いた(^◇^;)
っていうか、本人も犯人が自分だってわかってたんだよね?
そう思ったら、物凄く切なくなりました。

呪われたデーン人との戦いは、すっごくドキドキしたし
傭兵と雇い主との難しい関係もリアルだったし
時期領主でアミーナの兄、アダムの腑抜けなくせに
姑息なところには怒りさえ感じたし、色んな感情を
総動員して楽しめました。

なにより、ファルクと二コラの関係が、薬屋探偵を連想しちゃって
思いっきり和ませていただきました。
だって少年二コラは赤毛で、こっそりビスケット食べようとしてるし
まるでリベザルみたいで(頭の中ではリベザルになってました)
ファルクのことを師匠って呼んでるし・・・
小さな騎士にやられっぱなしでした(*´◇`*)

そういえば、捕虜のトーステンと、アミーナの侍女のヤスミナは
どうなったんだろう・・・
それが気になったのだが・・・

★★★★

絶叫城殺人事件/有栖川有栖


絶叫城殺人事件 (新潮文庫)
新潮社
有栖川 有栖

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ページ数:417p
発売日:2004年02月

「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、
口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。
残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場する
ヴァーチャルな怪物が―。
暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」
「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで
闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。
---------------------------
作家アリスシリーズ(火村英生シリーズ)
順番をちょっとすっ飛ばして読んでいるシリーズだけど
長編より、短編集の方が面白いと感じるのは気のせいか?
とりあえずは、手にしてないシリーズを揃えないと!

さて、【臨床犯罪学者 火村英生の推理】がドラマ化されたそうで
第一話が、絶叫城殺人事件とのこと。
キャストがイメージと全く違うので、ドラマは見ないけど
本は積んであったので、読んでみることにした(^◇^;)

「黒鳥亭殺人事件」
  大学時代の旧友に依頼され、彼が受け継いだ黒鳥亭を訪れる火村と有栖。
  黒鳥亭にある古井戸から遺体が発見されたらしのだが・・・
  事件そっちのけで、旧友の愛娘の真樹ちゃんに絵本を読んあげる有栖が
  微笑ましくて、「二十の扉」というゲームにも興味津々。
  結末は予想外でしたが、何にしても真樹ちゃんが無事でよかったぁ~

「壺中庵殺人事件」
  壺中庵とは、壺の中には仙人が住み、宮殿楼閣を成して
  山海の珍味を楽しむ桃源郷のような別天地があるといった
  中国の故事「壺中の天」に由来するそうです。
  いわゆる壺みたいな構造の部屋の中で、主人が自殺していた?
  という密室殺人ものです。
  この作品が、火村&有栖コンビとの初対面でした。
  いや、懐かしい。

「月宮殿殺人事件」
  ホームレスが廃材とかを集めて建造した月宮殿と呼ばれる
  3階建ての違法建築の豪邸。
  仕事の帰りに有栖は、1年前に見た豪邸を火村に見せようと
  思っていたのだが、それは焼け落ちた後で、ホームレスの住人は
  火事で亡くなったという。
  近くに住むホームレス仲間は、悪たれ4人組が放火したというが、
  4人組との話は食い違って・・・
  いやぁ~これも想像すらできなかったぁ~ 

「雪華楼殺人事件」
  病院のシーンから始まるから、一瞬、状況が呑み込めなかったけど
  雪華楼と呼ばれている、未完成のまま廃屋になった7階建ての建物に
  怪しげな男女が住み着いていたのだが、男が屋上から落ちて死んだらしい。
  しかし、転落の前に頭を殴られていたらしい。
  雪華楼には、もう一人の50歳前後の男がいたらしく・・・
  これも予想外の結果でした。

「紅雨荘殺人事件」
  紅雨荘と一般的に呼ばれている映画の舞台にもなった建物がある。
  本当の紅雨荘は別にあり、女主人が独りで住み、映画の舞台になった
  紅雨荘の方には子供たちが住んでいた。
  ある日、本物の紅雨荘で女主人が首を吊って死んでいたのだが・・・
  いやぁ~大掛かりがトリックに驚いたぁ~ 

「絶叫城殺人事件」表題作
  内容は、あらすじの通り。
  珍しく途中で犯人がわかってしまったけれど、きっと
  アタシがわかるくらいだから、みんな想像できたでしょう(^◇^;)
  わかるまでは、ドキドキしながら読んでいたんだけど
  一番驚いたのは火村の携帯の着メロだったかもしれない。


この短編集は結構気に入りました。
面白い内容だと、あっという間に読んじゃうんですよね(^◇^;)
そして、やはりアタシは推理が出来ないってことを痛感!
楽しめればいいんです!!

★★★★

リセット/北村薫


リセット (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:446p
発売日:2003年07月

「――また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、
穏やかに見つめてこういいました。
六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。
以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった
流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、
生命と生命を繋ぎ、琦跡を、呼ぶ。
---------------------------
「時と人」三部作の第3作

最初の2作「スキップ」「ターン」とは作風が違います。
読み始めは戸惑いましたが、これも切ないぃ~(ノ◇≦。)

太平洋戦争末期。
お嬢様学校に通う女学生の水原真澄。
厳しいながらも、そこは他とは違って裕福な部類なので
友人たちと青春を謳歌していた。
皆川博子さんの「倒立する塔の殺人」を思い出しました。
やはり裕福系のお嬢様学校では、似たような時間を
過ごしていたんだなぁ~と想像しました。

真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。
30数年に1度しか見られないという獅子座流星群を
いつかふたりで眺めたいと心に秘めていたが
戦争中において、その希望はあまりに儚過ぎた。
別れの寸前のシーンは、互いの想いを確かに伝えた。
この場面が、もう泣けて泣けて(´;д;`)ウルウル

やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半。
小学5年生の村上和彦は、学校図書館とは別に、
小学生に絵本や児童書を貸し与えている女性と知り合う。

いきなり主人公が入れ替わったから、驚いた・・・
けれど、獅子座流星群の到来まで、あと4年という時期・・・
これは偶然ではない?
村上和彦は、女性との関わりで、自分の知識にはなかったものを
なぜか記憶している事に気づく。
どうしてそんな事を自分は知っている?

そして、和彦と女性は気付いてしまう。
ここに琦跡が起こっていたことを。
けれど、琦跡の全てが幸せをもたらすものではなかった。
やがて悲劇が訪れ・・・そして・・・

都合がいいと言われれば、それまでかもしれないが
二人の想いが起こした琦跡を信じたくなります。
それほど優しさに満ちている。
いやぁ~最後の豪快な笑いが最高でしたねぇ~

リセットって、そういう意味だったのかと
納得して読み終わりました。

★★★★

ターン/北村薫


ターン (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:426p
発売日:2000年07月

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。
気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。
3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。
が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。
そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると
一日前の座椅子に戻ってしまう。
いつかは帰れるの?それともこのまま…
だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
---------------------------
「時と人」三部作の第2作
Mirokuさんが言うんですよ。
これは絶対に好きな作品です。

スキップで理不尽で、残酷なのに、主人公の
前向きな姿勢に感動した。
が、やはり最後はちょっと嫌だったなぁ~
だから、期待度大で2作目を読んだ。
Mirokuさんのおっしゃる通りでしたぁ~

なんですの?これはぁ~!!
版画家の真希は、夏の午後に事故って、気が付くと
何故か自宅の居間で目覚める。
同じ町なのに、誰もいない。
まるで幽霊船のごとく、ついさっきまで誰かがいて
忽然と消えたかのような様子である。
そして3時15分になると、何をやっていても何処にいても
自宅の居間で目覚めるところから始まる。
真希命名「くるりん」現象である。

時に囚われながらも、真希は色んなことをやろうとする。
その細かい1日の行動が、とってもリアル。
買い物をするにも、どうせ元に戻るからという考え方をしない。
誰もいないから、別の世界だからとは考えない。
っていうか、そういうモラル的な事に考えがいかなかったわ。

そして最初から気になっていたのが、真希と会話する
声だけの存在。
多重人格の一種か?とも思ったけど、あまり語ると
ネタバレになるから、自由に想像しましょう。
とりあえずは、異世界に一人だけではあるけれど
声だけとはいえ、会話できる相手がいるってことは
完全に一人っきりとは言えないから、まだまし?

一番辛いのは、作品を作ろうにも、時間になると
「くるりん」と時間が戻ってしまう。
前向きな気力が削がれていく。
そんなある日、家の電話が鳴った。
なんと現実世界から真希にかけられた電話だった!!
しかも男から!!

芥川龍之介の蜘蛛の糸を連想しましたよぉ~
現実世界から1本だけ垂れ下がった細い糸
真希は確かに糸を掴んだ。
あとは登っていくだけ。
真希は現実世界に戻れるのか??って話に展開していく。

そこからの話がこれまた結構リアルで細かいのよ。
そうなのかぁ~って雑学系がちょっとあったり
現実と異世界での仕組みの違いとか
これは想像できなかった(^◇^;)
そしてこれまた必然的な展開になるんだけれど
切ない。何かの歌のフレーズがよみがえる
会えない時間がぁ 愛育てるのさぁ(知ってる?)

そして最後の怒涛の展開。
これには心臓バクバクしましたよぉ~
ヾ(-ε-; )ォィォィ 相手のことを考えろ!
余計なことをするなぁ~
o(>ロ<o) (o>ロ<)oバタバタo(>ロ<o) (o>ロ<)o
どんだけヤキモキさせられたことかぁ~

そして真希は気付くのです。
あぁ~いいわぁ~(*´◇`*)
やっぱりね、こうじゃないといけないですよねぇ~

まぁ~細かいところを突っ込むと感動が薄れるから
あえて気付かないふりをします。
声だけの存在の事とかね(^◇^;)
色々考えちゃったからさぁ~

そして完結編を読みます。
もう読んだけど(○ ̄m ̄)
読んですぐに感想を書かないと感動が薄れるんだよねぇ~

★★★★

スキップ/北村薫


スキップ (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:571p
発売日:1999年07月

まどろみから覚めたとき、17歳の〈わたし〉は、25年の時空を
かるがる飛んで42歳の〈わたし〉に着地した。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。
それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、
わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……
目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。
わたしは一体どうなってしまったのか。
独りぼっちだ――
でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。
---------------------------
「時と人」三部作の第1作
「面白いから読みなさい」とMirokuさんに言われたのに
6年積んでた??(; ̄ー ̄川 アセアセ
だってぇ~他に読みたいのがあったんだものぉ~

と、言い訳してみたものの、読んでから
何でさっさと読まなかったぁ~!!と後悔しました。
北村作品は、覆面作家シリーズを読んだだけ。
あのシリーズも好きだったけど、それとは全く違う。
っていうか、なんという話をこしらえてくれるのよ

17歳の一ノ瀬真理子が、途中で中止になったとはいえ
高校のイベントを切り上げて家に帰り、うたた寝して
目覚めたら42歳だった??
しかも、同じ年の娘と夫もいる?
一番楽しい時期をすっ飛ばして、人生で貴重なイベントも
すっ飛ばして25年後の自分の中にいた・・・

これ以上の恐怖はないでしょう。
自分が老けるなんて、想像すらできない
いつかはオバサンになるだろうけど、自分だけは
若いままでいるんじゃないのか?とまで思っている
それがティーンってもんでしょう。
こんな理不尽が許されていいのぉ??
ってな感じで、読みながらもパニクってしまった。

スキップして初めて顔を合わせたのが自分の娘。
そこに旦那が帰って来た時の反応・・・
わかるなぁ~
そして、25年後の自分は国語の先生だった。
普通なら逃げ腰になりそうなものだけど
自分に起こったことに納得はできなくても
生きていかなければならない。
そんな自分の状況をしっかり認識できている真理子。
そこに乗り込んでいける勇気。

まったくもって潔い。
中身は17歳なのに、同じ年齢の子に勉強を教える。
時代のギャップを感じながらも受け入れ
色々なハプニングを切り抜ける。
何て清々しのだろう。
お気に入りのシーンはフォークダンスだったりする。
今の時代、まだフォークダンスってやるのかな?
なんというか、あの雰囲気って独特なんだよねぇ

理不尽な出来事に、ただ嘆くだけでなく
切り抜けていく強さを持った真理子に感動しました。

そういえば、年をとると色々と面倒になってくる。
昔の行動力はどこに行った?と思ったりもするけれど
25年後の体の中に、17歳の心が宿るなら
きっと見た目もキラキラ輝いているんだろうと
想像したら、嬉しくなりました。

★★★+

動物園の鳥/坂木司


動物園の鳥 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:265P
発売日:2006年10月

春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。
僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの
高田安次朗さんだ。
高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。
動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事と
どうつながるのか―。
鳥井は外の世界に飛び立てるのか。
-------------------------------
シリーズ完結編

動物園で野良猫の虐待事件が頻発しているという。
鳥井と坂木が動物園に向かうのだが、猫の虐待以外にも
問題を抱えている人がいて、更には、鳥井のひきこもりの
原因まで現れる。
動物園関係者も、引きこもりの原因の奴も
読みながら、こういう奴、いる!!と思ってしまった。

同じ言葉を話してるのに、言葉が通じない。
さもご立派な事を言ってそうで、当たり前のことしか言ってない。
こういう輩には近寄らないのが唯一の防御策。
だけど、そういう輩に限ってすり寄ってくる。悪夢だ!

今回も、新しい出会いがあるのだけれど
新しい輪の中から新しい繋がりが生まれたりして
こっちが嬉しくなってみたり。
鳥井のひきこもりの原因の奴に対して、坂木の反撃が素晴らしい。
このシリーズは鳥井に感情移入して読んでいたんだけど
坂木も傷ついていたんですね。
わかってはいたけれど、何もしなかったことに対して
自分を責めて傷ついて・・・
だからこその絶妙コンビだったのですね

最後はもう、泣きそうになりました。
電車の中だったので我慢しました。
涙を堪えると鼻水が出ます。
予防でマスクをしていたので、大丈夫だったけど・・・

二人の関係が途切れることを危惧していたけれど
卒業って、必ずしも別れに繋がるわけじゃないのねぇ
新しい関係を繋ぎなおすというか、築いていく。
なんとも優しい感動でした。

終わりたくないから始めないって考えを改めて反省しました。

★★★★