裏庭/梨木 香歩


裏庭 (新潮文庫)
新潮社
梨木 香歩

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ページ数:412p
発売日:2001年01月

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。
高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって
絶好の遊び場だ。
その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴を
くぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事が
きっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、
声を聞いた―
教えよう、君に、と。
少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。
少女自身に出会う旅に。
---------------------------
久しぶりの梨木作品
読後、必ず心に残るものがあるので大好き。
人と人との繋がりや、見過ごしがちな些細だけど大切なことを
いつも教えてくれる。

今回は、主人公である照美と両親と、その母親(照美の祖母)と
更には帰国していた英国人一家の姉妹が、裏庭を通して
それぞれが気付かないふりを通すことでやり過ごしていた心の傷を
照美は冒険を通して、両親は照美がいなくなった事で
また、英国人一家の姉妹も、妹の死の後、目を瞑っていた事を
初めて向き合い成長するというお話でした。

ただ、冒険の旅の描写が淡々と描かれていて
それぞれの出来事や登場人物や、その役割など
後から思うと、そういうことかと振り返る感じで
いわゆる冒険をしているという壮大さに
欠ける気がしました。
感動がないわけではないんですよ。
銀の腕のところは、鳥肌立ちましたもの。

決してけなしているわけではなくて
壮大なファンタジーを期待しすぎてしまったので
ちょっと味気なく感じてしまったのですよ。
それぞれの出来事に意味があって、最後には感動が待っている。
傷の見せ方なんかも、なるほど考えてるなぁ~と
感心してしまったけれど、冒険の最中に、そういうことを
思ってしまう(物語の世界から自分が離脱してしまう)のが
アタシ的にのめりこめなかった要因だったのかも・・・

梨木さんの作品には、淡々としていながらも
その世界観や考え方に魅せられるのがたまらなくて
表面的にきれいなだけじゃない部分すらも
浮き上がらせて納得してしまう自分を発見するっていう
楽しみもあったりしたので、なんというか
特に冒険部分の背景が大きそうな割には
進むのが早過ぎて、想像が追い付かないというか
消化しきれないうちにいきなりクライマックスって感じで
置いてきぼり感が大きかった。

家守琦譚的な許容できる範囲の不思議を
求めていたからかもしれない。
だから、期待が大きすぎたので、ちょっと物足りなかったのが
とっても残念でした。

★★★

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