動物園の鳥/坂木司


動物園の鳥 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:265P
発売日:2006年10月

春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。
僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの
高田安次朗さんだ。
高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。
動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事と
どうつながるのか―。
鳥井は外の世界に飛び立てるのか。
-------------------------------
シリーズ完結編

動物園で野良猫の虐待事件が頻発しているという。
鳥井と坂木が動物園に向かうのだが、猫の虐待以外にも
問題を抱えている人がいて、更には、鳥井のひきこもりの
原因まで現れる。
動物園関係者も、引きこもりの原因の奴も
読みながら、こういう奴、いる!!と思ってしまった。

同じ言葉を話してるのに、言葉が通じない。
さもご立派な事を言ってそうで、当たり前のことしか言ってない。
こういう輩には近寄らないのが唯一の防御策。
だけど、そういう輩に限ってすり寄ってくる。悪夢だ!

今回も、新しい出会いがあるのだけれど
新しい輪の中から新しい繋がりが生まれたりして
こっちが嬉しくなってみたり。
鳥井のひきこもりの原因の奴に対して、坂木の反撃が素晴らしい。
このシリーズは鳥井に感情移入して読んでいたんだけど
坂木も傷ついていたんですね。
わかってはいたけれど、何もしなかったことに対して
自分を責めて傷ついて・・・
だからこその絶妙コンビだったのですね

最後はもう、泣きそうになりました。
電車の中だったので我慢しました。
涙を堪えると鼻水が出ます。
予防でマスクをしていたので、大丈夫だったけど・・・

二人の関係が途切れることを危惧していたけれど
卒業って、必ずしも別れに繋がるわけじゃないのねぇ
新しい関係を繋ぎなおすというか、築いていく。
なんとも優しい感動でした。

終わりたくないから始めないって考えを改めて反省しました。

★★★★

仔羊の巣/坂木司


仔羊の巣 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:318p
発売日:2006年06月

自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、
僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。
慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は…。
また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で
見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、
それらの真実を鳥井はどう解明するのか。
--------------------------
ひきこもり探偵シリーズ第2弾。

前作に続いて、引きこもりの鳥井と、鳥井を外の世界に
連れ出そうとしながらも、それを恐れるお人よしの坂木が
これまた問題を抱えている他人と出会うことで
小さな事件に巻き込まれ、謎を解決しながら1つまた
1つと繋がりが増えていくというお話。

器用なんだか不器用なんだかわからない。
鋭いのか鈍いのかもわからない。
坂木は鳥井をうまく飼いならし、鳥井は坂木信者である。
この特殊な繋がりで結ばれた二人が、どんな成長をみせるのか。

本当にこのシリーズは読みやすいから、すぐ読めちゃう。
感想が間に合わない(^◇^;)
今回も予想外のところでの繋がりが明らかになる。
人の縁って、面白いなぁ~

ただ、気になったのは巻末の有栖氏の解説。
鳥井が好きになれないらしい。
まぁ~普通に考えたら、どうなの?って性格だよね?
人当たりとか、目上の人に対しての態度とか・・・
ストーリーに気を取られて気付かなかった
っていうか、鳥井養護派になってたからねぇ~

終わらない関係というか、終わらないで欲しい関係というか
そういうことばっかり考えて読んでました。
だからと言って、鳥井を嫌いになるわけでもなく
有栖氏と同じようなことを思ってる人も
いるんだろうなぁ~と思ってみたり。
まぁ~そこは人それぞれなんだろうけど
3部作ということだから、どういう決着をつけるのか
楽しみに続きを読みます。

★★★★

青空の卵/坂木司


青空の卵 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:347p
発売日:2002年05月

僕、坂木司には一風変わった友人がいる。
自称ひきこもりの鳥井真一だ。
複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、
僕は日夜頑張っている。
料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。
鋭い観察眼を持つ鳥井は、どんな真実を描き出すのか。
謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた
感動の著者デビュー作。
------------------------------
ひきこもり探偵シリーズ:第1弾

初めましての作家さん。
ブロ友さんたちの評価が高くて、速攻で買ったんだけど
ずっと積んでました(^◇^;)
何故積んでいたんだぁ~って感じですよ!
これは好きです。大好きです。

日常系の謎ではあるけれど、ミステリというよりは
二人の成長?に、日常系の謎が絡んできて
その謎に関わっている他人だった人達との
新しい繋がりのお話でもある。

メインキャラはヒッキーの鳥井真一と、基本いい人の坂木司。
複雑な生い立ちとイジメで心を閉ざしていた鳥井に
坂木が手を差し伸べたというか、元々鳥井のような
一匹狼的な人にあこがれていた坂木が、弱っている鳥井に
つけこむように友達になる。
言い方は悪いけれど、形はどうあれ、それで二人の繋がりが
成り立っているのであれば、それはそれでいいのだ。
バランスが保てていればいいのである。

人が苦手で人の目が怖い。だからこそ、よく見ている。
鳥井の観察眼の鋭さは、こういうことなんだろう。
普段は他人に対して横柄な彼も、坂木に何かあると
パニックを起こして子供化する。
鳥井にとって、やっと手に入れた繋がり。
誰より何より坂木が大事。
依存とはちょっと違う二人の関係。

坂木も、そんな鳥井を外の世界に連れ出そうとしているが
鳥井が独り立ちするのを恐れてもいる。
矛盾した気持ち。

でも、そんな気持ちはよくわかる。
卒業生の気分というのかな?
あと半年で卒業という時期になると、仲のいい友達や
仲間との繋がりが途切れるかもしれないと不安になる。
新しい出会いもあるだろうけど、今の繋がりが一生続くなんて
ないんだという諦めにも似た寂しさに襲われる。

だから、絶対に自分から離れないだろうという鳥井の為に
仕事を選び、その存在が坂木をますますいい人にして
安定をもたらしているのではないかと
勝手に想像してみたり。

そこに問題を抱えた他人による小さな事件に巻き込まれ
そこから新しい繋がりが生まれていく。
なんとも羨ましい関係にワクワクします。
早速続きを読みますо(ж>▽<)y ☆

★★★★

とくさ/福島サトル


とくさ (角川ホラー文庫)
角川書店
福島 サトル

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ページ数:335p
発売日:2004年11月

新聞記者を辞めた「私」は、御溝と名乗る琦妙な男から
秘薬ニスイについて執筆を依頼されるが、
取材相手の死など不吉な体験をする。
実は、御溝は死者の言葉を呼び返そうとしていたのだ。
庭を覆い隠す木賊のように「私」の不安は増殖してゆく。
言葉の呪術的な力を駆使した「とくさ」
(第十一回日本ホラー小説大賞短編賞佳作)他、
新感覚ホラー四篇。
-------------------------
初めましての作家さん。

Mirokuさんのレビューを読んで、購入。
しかし、まずった・・・
コメントの返事を読まずに購入してしまった。
後悔しても遅い。だから積んでいた。
たまたま、幻想怪琦系が続いていたから勢いで読んでみた。
が、またもシャキっとしない作品に当たってしまった。
やっぱり・・・ε-(ーдー)ハァ

まいったなぁ~
ホラーといえば、ホラーなんだろうけど
抜け出せない悪夢を続けて見てるみたいな
そういう意味では怖いんだろうけど
ものすごくわかり難い

後からなんでそうなったのかって説明はある。
あるんだけど、その過程にする意味がわからん。
何かをにおわせたいんだろうけど
そこがずれている。
ゾワリとしない。

うあぁ~なんか嫌だぁ~って感じ。
そういう悪夢的な本は嫌だなぁ~
夢だけで勘弁してくださいって感じ。

文章も合わなかった。
入り込めない。
とにかく眠くなる。
脳みそが拒否してるんだなぁ~
つり革掴んで本を読みながら寝ちゃって
初めてガクっとなってビビった。
それくらい合わなかった(^◇^;)

目的というか、執念というか・・・
それでいて姑息で、なんというかやはり合わない。

レビューを参考に本を購入するときは、
コメントの返事を確認してからにします。
Mirokuさんの評価は信頼してますので(^◇^;)
いやぁ~参った参った(; ̄ー ̄川 アセアセ

★★+

裏庭/梨木 香歩


裏庭 (新潮文庫)
新潮社
梨木 香歩

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ページ数:412p
発売日:2001年01月

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。
高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって
絶好の遊び場だ。
その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴を
くぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事が
きっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、
声を聞いた―
教えよう、君に、と。
少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。
少女自身に出会う旅に。
---------------------------
久しぶりの梨木作品
読後、必ず心に残るものがあるので大好き。
人と人との繋がりや、見過ごしがちな些細だけど大切なことを
いつも教えてくれる。

今回は、主人公である照美と両親と、その母親(照美の祖母)と
更には帰国していた英国人一家の姉妹が、裏庭を通して
それぞれが気付かないふりを通すことでやり過ごしていた心の傷を
照美は冒険を通して、両親は照美がいなくなった事で
また、英国人一家の姉妹も、妹の死の後、目を瞑っていた事を
初めて向き合い成長するというお話でした。

ただ、冒険の旅の描写が淡々と描かれていて
それぞれの出来事や登場人物や、その役割など
後から思うと、そういうことかと振り返る感じで
いわゆる冒険をしているという壮大さに
欠ける気がしました。
感動がないわけではないんですよ。
銀の腕のところは、鳥肌立ちましたもの。

決してけなしているわけではなくて
壮大なファンタジーを期待しすぎてしまったので
ちょっと味気なく感じてしまったのですよ。
それぞれの出来事に意味があって、最後には感動が待っている。
傷の見せ方なんかも、なるほど考えてるなぁ~と
感心してしまったけれど、冒険の最中に、そういうことを
思ってしまう(物語の世界から自分が離脱してしまう)のが
アタシ的にのめりこめなかった要因だったのかも・・・

梨木さんの作品には、淡々としていながらも
その世界観や考え方に魅せられるのがたまらなくて
表面的にきれいなだけじゃない部分すらも
浮き上がらせて納得してしまう自分を発見するっていう
楽しみもあったりしたので、なんというか
特に冒険部分の背景が大きそうな割には
進むのが早過ぎて、想像が追い付かないというか
消化しきれないうちにいきなりクライマックスって感じで
置いてきぼり感が大きかった。

家守琦譚的な許容できる範囲の不思議を
求めていたからかもしれない。
だから、期待が大きすぎたので、ちょっと物足りなかったのが
とっても残念でした。

★★★

秋の牢獄/恒川光太郎


秋の牢獄 (角川ホラー文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2010-09-25
恒川 光太郎

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ページ数:217p
発売日:2010年09月

11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。
朝になれば全てがリセットされる日々。
この繰り返しに終わりは来るのか──。
表題作他2編を収録、圧倒的な切なさと美しさに満ちた傑作中編集。
------------------------------
秋というか、晩秋というか、この時期にはちょうどいい作品?
いやいや・・・心が乾燥してきたら、恒川作品を読む。
本当に裏切らない作家さんですよぉ~

「秋の牢獄」
  タイムリープものです。
  たまたま前回、いやぁ~なタイムリープものを読んだので
  またか?と思ったけど、さすが恒川氏。
  11/7を何度も繰り返している女子大生。記憶を残したまま
  朝には全てがリセットされている。
  そのうち、タイムリープ仲間が結構いることに気づくのだが
  北風伯爵とあだ名される謎の存在が出現すると、仲間がいなくなる。
  藍はタイムリープを抜け出せるのか?
  
「神家没落」
  春の夜、ほんの気まぐれに公園を抜けようとしたら
  古ぼけた民家に迷い込んでしまった。
  翁の面を被った家主は、青年を跡取りに指名すると消えてしまう。
  外に出ようにも出られない、家に囚われてしまった。
  自分の身代わりを立てないと抜けられない。
  決められた場所を定期的に巡っている古民家に
  前の家主と知り合いの人たちが各地で訪ねてきたり
  迷い込んだり・・・
  青年が身代わりに選んだのは・・・

「幻は夜に成長する」
  客から地獄を聞かされて、御簾を通して癒しの幻を見せる。
  そんな逃げ場のない毎日の中でリオは心に怪物を育てる。

  幼いころ、祖母と信じた人から幻を見せる力を使うことを教わる。
  祖母だと思っていたのは、とある教団の教祖だった。
本当の家に戻り、普通の生活を取り戻したはずだったが
  元教団関係者に拉致され、囚われの身となり・・・
  

それぞれの牢獄
牢獄というだけでイメージはよくないのだが、
3篇それぞれの牢獄に囚われた主人公が牢獄の中で何を考え
行動して、結果どうなったかというお話なのですが
主人公たちは何の罪を犯したわけでもなく囚われる
ある日突然訪れる怪異

あぁ~この世界観が恒川氏
ホラーというより幻想小説でしょう。
ホラー系もあるけれど(^◇^;)
その過程も結末すらも、想像を上回っていて、余韻を残します。
短編で読みやすく、あっという間に不思議な空間に
足を踏み入れた気になります。
やはり定期的に補充したくなります。

★★★★

玩具修理者/小林 泰三


玩具修理者 (角川ホラー文庫)
角川書店
小林 泰三

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ページ数:221p
発売日:1999年04月

玩具修理者は何でも直してくれる。
独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。
壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。
ある日、私は弟を過って死なせてしまう。
親に知られぬうちにどうにかしなければ。
私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。
現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―
その狭間に琦妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た
第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
----------------------
初めましての作家さんです。
これもMirokuさんのレビューを読んでチェックしておいて
ようやく読んだ1冊です。(↑クリック Mirokuさんのレビュー)

Mirokuさんのブログでよく目にする作家さんだったので
気にはなっていたものの、購入するタイミングもあって
随分と経ってしまいました。
前回、お近くの琦譚を読んで、脳みそが不思議怪琦系を
求めてきたので、読んでみたけど、マジで怪琦だった( ̄▽ ̄;)

表題作は、あらすじにもあるように、何でも直す。
その直す過程がホラーなのですよ。
これが玩具単品だけならいい。
この玩具修理者は、まとめて直す。
玩具でも元生き物でも、一旦バラバラにしてから組み立てる。
その様が妄想の翼を広げるとグロイ。
部屋の様子や、並べられたパーツを想像すると
物凄く怪琦で、臭いすら漂ってきそうでゾっとする。

子供が死んだ猫を直してもらうって発想は
わからなくもない。
が、死んだ弟を直すという理由が、子供の無知な感覚ではなく
親に知られないようにするためってことが
乙一氏の「夏と花火とわたしの死体」を連想してしまった。
子供って、殺したことよりも、親に知られる方が怖いって心理が
色んな事に共通してるようで、ゾワゾワします。

なんの脈略もなく、いきなり男女の会話から始まり、
話は過去に飛び、予想外の結末。
驚かせて、プッツリ終わる。いやぁ~~どうなっちゃうのぉ~
って感じです。こういうの嫌いじゃないです(^◇^;)
っていうか、これがデビュー作ってほうが恐ろしい。

そして、「酔歩する男」
こういうのが、一番怖い。抜け出せない恐怖って奴ですか?
最初は単純なタイムリープものかと思ったんだけど
そうじゃなかったです。
同じ日を繰り返すというものでもない。

読み始めは、小難しい単語とか出てきて、意味不明だったけど
全体像が見えてくると、精神的にこれほど恐ろしいことはない。
ちょっとした?間違いから時間に囚われ抜け出せない。
目覚めた世界が、過去なのか未来なのかわからない。
修正したはずなのに、修正されていない。
死ぬこともできず、現在に戻れない恐怖。
そして、最後の1行で・・・

いやぁ~こういう怖さが欲しくなったら
この著者の本を読めばいいというのがよくわかった。
精神的に追い詰められる系は苦手だから
普通の怪琦ものをチョイスしようと思います(^◇^;)

★★★

お近くの琦譚/地図十行路


お近くの奇譚 ~カタリベと、現代民話と謎解き茶話会~ (メディアワークス文庫)
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-25
地図十行路

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ページ数:310p
発売日:2014年07月

「――ねえ、こんな話を知ってる?」
この町では、古風な黒電話がそこかしこに置かれている。
そんな黒電話の向こうには、『カタリベ』と呼ばれる
黒いフードを被った謎の人物がいた。
噂話の怪異。
それが『本当のこと』になるこの町で、『カタリベ』の黒い糸に
導かれた少年と少女は、今日も琦妙な謎解きに挑む。
それは、『噂の語り替え』のために開かれる、すこし不思議なお茶会。
郷土を愛する皆様、この噂話を紐解くときは、
お茶請けに甘いものをお忘れなく。
--------------------
初めましての作家さん。
Mirokuさんのレビューを読んで
購入してたものをようやく読みました。

舞台は「異角(いづの)」と呼ばれる普通の町。
メインキャラは3人。
カタリベの招(まねき)と、異角立郷土祭事管理組合事務所の
所長代理のハル(温木晴生)、ハルの事務所が唯一の居場所になっている
女子高生のクロ(西来野久路)。

異角の町のいたるところに、ダイヤルのない黒電話が置かれている。
その黒電話は、カタリベに繋がる電話なのだという。
カタリベは黒電話を使って町の噂話を集めるという。
更に、運良くカタリベからかかってきた電話に出られれば、
彼が集めた異角の噂話が聞けるという。
異角の噂話・・・いわゆる都市伝説ということだ。

ただし、注意しなければいけない事がある。
カタリベの語る都市伝説は、やがて現実になる。
怪異に巻き込まれてしまった場合、噂話を語り替えてもらえばいいのだが
もちろん、条件付き。
その都市伝説が本物の怪異から生まれたものではなく、
偽物(誰かが作った話)であると見抜き、カタリベを納得させる事。
その分析の仕方も、お楽しみの1つだったりする。
ただし、噂話の真偽を見誤った時には、・・・

噂話の鑑定者は、異角を愛してやまない高校に行かずに働いているハル。
謎解き茶話会とは、噂の鑑定をする為に、3人が集まった時に
催されるお茶会を指している。
場所はカタリベの招(まねき)が決めるので、いつも違う場所である。

現代のカタリベと現代民話(都市伝説)
人前で語られていた話は、現代になって黒電話を通して語られる。
しかも、怪異は現実となる。
ホラーかと思いきや、そうでもない。
安心して聞ける怪異譚。

鑑定時にはハルの左手の小指に黒い糸が結ばれ、
その場を離れる事が出来なくなる。
小指の黒い糸・・・こういう儀式的な事がたまらない。

そして、カタリベの招が謎なのである。
間違いなく人ではない。
更に、どんなに暑くてもフードを目深に被り、
フードを捲り上げると・・・目隠ししてるしぃ~
しかも、ご丁寧に笑った目まで描いてある。
いかにも続きそうな感じのお話しなので
招きが、いつ頃からいるのかってのも気になるところ。

続編、激しく希望です!

★★★★

一角獣の殺人/カーター・ディクスン


一角獣の殺人 (創元推理文庫)
東京創元社
カーター・ディクスン

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訳:田中潤司
ページ数:350p
発売日:2009年12月

パリで休暇を楽しむケン・ブレイクは、美女イヴリンとの再会により、
“一角獣”をめぐる極秘任務に巻き込まれた。
そして嵐の中たどり着いた『島の城』では、目撃者のいる前で
怪死事件が発生。
死体の額には鋭い角のような物で突かれた痕が残っていた。
フランスの古城を舞台に、希代の怪盗、パリ警視庁の覆面探偵、
ヘンリー・メリヴェール卿が三つどもえの知恵比べを展開する。
---------------------------
本が手元に届いてから気づいた。
あれ?ディクスン・カーじゃなかったっけ?
間違えた?(; ̄ー ̄)...ン?
と思ったら、同一人物だったのですね。
無知でした(^◇^;)
有名なので読んでおこうと思ったんだけど
カーって密室の王者とか言われてなかったっけ?

本作は、ヘンリー・メリヴェール卿ものの長編4作目らしいが
密室は出てきません。
完全に選択ミス。しかも苦手なパターンだった。
一角獣ってのが気に入って購入したのが間違いだった。
タイトルに踊らされたのは何度目だ?(; ̄ー ̄川 アセアセ


ケンウッド・ブレイクが、語り手として物語は始まります。
ケンは、お気に入りの英国情報部員イヴリン・チェインと
一緒にいたいが為に、依頼を受けてもいないのに相棒のフリをして
一角獣をめぐる極秘任務に潜り込み、「島の城」へ行くことになるのだが
そこまでのドタバタがありえないというか何というか・・・
かりにも諜報部員だろう!!

そもそもは「一角獣」と呼ばれる秘宝の警護のはずだったが
それを狙う怪盗フラマンドとパリ警視庁の主任警部ガスケの対決が
話題になっていて、どうやら島の城に集まった10名ほどの客の中に
変装して紛れ込んでいるらしい。

そして殺人事件が発生!
なんとガスケ主任警部と思われる男性が階段から転落死。
額には一角獣の角で突いたような傷あとが残っていた。
階段転落時に誰かが近づいた様子もなく、
凶器も見当たらないという、不可能犯罪。

この不可能犯罪の謎だけでなく、怪盗フラマンドは誰だ?
って感じで物語は進みます。
むろん、犯人はフラマンドに違いない。
では、城の中にいる誰に化けている?
犯人探し兼フラマンド探しの為、それぞれの推理が披露されるが
衆人環視の下での殺人のはずなのに、目撃してる人のいた場所や
目撃したであろう瞬間が少しずつ違っていて
ものすごく混乱する。

現場の再現から何度も何度も同じ場面の話。
そこから矛盾点を探そうとしてるはずなのに
話が進めば進むほどわけわからん。
種明かしされても、o(゚◇゚o)ホエ?って感じでした。
これも苦手なタイプの話でした。

今度読むときは、ちゃんと密室の話にしようと思います
ハァε-(・´д`・,,)≡(A-´д-)ツヵレタ

★★★