パンドラの鳥籠: 毒草師/高田崇史


パンドラの鳥籠: 毒草師 (新潮文庫)
新潮社
2015-09-27
高田 崇史

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ページ数:382p
発売日:2015年10月

丹後半島で二年前、生薬学者が姿を消した。
地域には三百歳の魔女が棲むといわれる洋館があり、
首なし死体も発見されている。
編集者・西田真規は、薬学の鬼才にして唯我独尊博覧強記の
毒草師・御名形史紋、その助手の神凪百合と共に謎を追う。
浦島太郎の「玉手箱」とギリシャ神話「パンドラの箱」がリンクする時、
謎に繋がる一筋の道が現れる。知的スリルに満ちた歴史民俗ミステリ。
---------------------------
ノベルズ版で揃えたかったので、ずーっと待ってたのに
すっ飛ばして文庫が出てしまった。
それでも待ち続けていたのだが、いいかげん待ちくたびれた。
シリーズ本は、きれいに揃えたいという個人的な拘りを
打ち砕かれた気分ですわ(-。-;)

シリーズ3作目
医療関連の出版社を訪れた美女が、行方不明になった生薬学者の叔父を
探してほしいと依頼してきたことから話は始まる。
何故、出版社に?と思うのも当然だが、そこは一ノ関先生の紹介で、
御名形史紋の力を借りたいということで、この毒草師と唯一親しく?
している西田が連絡役になるのは当然の流れでもある。
あぁ~哀れな西田君・・・
惚れっぽいのが仇となり、きっとまた不幸が襲い掛かる・・・

が!隣の住人である史紋の部屋を訪ねようとした時
なんと、前作の登場人物で、これまた美人で史紋の助手になった
神凪 百合がいた!!
そして、三百歳の魔女が棲むといわれる洋館の話に
史紋が食いついた!
その地域では、首なし死体が発見されており
その謎を含めて捜査に向かうのだが・・・

ってことで、何が気になっていたかというと、
それはもちろん、前作の最後でいきなり史紋の助手になった
神凪 百合のことよ!
でもまぁ~史紋のことだから、当然というか
色っぽい話は全くなかった(^◇^;)ちょっと安心(○ ̄m ̄)

そして、もう一つ気になっていたのが、今回の赤は
どこにもってくるのか?って話よ。
アタシも、それ使わせてほしいぃ~
いや・・・久しぶりのキャラ萌えですからね(^◇^;)

今回の話は、いつもとはちょっと違っていて
謎解きというよりは、蘊蓄の嵐ってところかしら?
首なし死体の犯人も、話の流れで普通にわかっちゃうし
その理由も、史紋がサクッと解説してるし。

それよりも、浦島太郎伝説の蘊蓄がすごかったぁ~
あれもこれも、浦島太郎に繋がるってのに驚いた。
でも、時の権力者によって、都合よく話が作られているってのは
とっても納得いったわ。
歴史は勝者によって作られるっていうのは、昔からの事で
これは自分の先祖のことを考えたら、ごもっともな話で
どうしても残したい事は、関係者だけがわかるように
民話や伝説といったものに形を変えて、受け継がれる。
まさに歴史民俗ミステリ!

日本の昔話って、名前が非常に面倒臭いから覚えられないけど
とにかく驚いた。
神社での参拝にすら、権力者は姑息な手を使っている。
気付いてる人って、いるのかなぁ~(-。-;)
そして特に深いと思ったのが、浦島太郎の「玉手箱」と
ギリシャ神話「パンドラの箱」だったりする。
渡す側の意識というのを考えたことがなかったけど
深いわぁ~!!

今回は、蘊蓄話に大満足でした。
そういえば、西田君は、今回も暴走して危ない目にあってました。
これはもう、お約束ですかね(^◇^;)
っていうか、哀れだぁ~
がんばれ西田君!君の不幸があってこそ、アタシが史紋を楽しめる。
更なる不幸を期待してます(○ ̄m ̄)

★★★★

折れた竜骨 上下/米澤穂信


折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
東京創元社
米澤 穂信

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折れた竜骨 下 (創元推理文庫)
東京創元社
米澤 穂信

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ページ数:290p
発売日:2013年07月

ページ数:264p
発売日:2013年07月

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。
その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士
ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。
ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に
命を狙われている、と告げた……。
自然の要塞であったはずの島で暗殺騎士の魔術に斃れた父、
「走狗(ミニオン)」候補の八人の容疑者、いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち、
沈められた封印の鐘、鍵のかかった塔上の牢から忽然と消えた不死の青年――
そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?
魔術や呪いが跋扈する世界の中で、「推理」の力は
果たして真相に辿り着くことができるのか?

現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!
-------------------------------
この著者の作品は、小市民シリーズと古典部シリーズしか
読んだことがなかった。いわゆる、日常の謎系。
そして、本書を読むにあたって、ちょっと勘違いをしておりました。
普通にファンタジーだと思っておりました。
仕入れた情報は寝かせておくと、mokkoの脳内で勝手に変換されるらしい。

購入したら、第64回日本推理作家協会賞受賞作と帯にあった。
(  ° ▽ ° ;) エッ?
これってミステリだったの??
魔術ありなのに、ミステリは無理っしょ!と思ったんだけど、
Mirokuさんが言ってたのよ。
主人公も、弟子も、雰囲気も驚き、感動も
全てがmokkoさんのツボだと思います。と言っていた。
そして翠香さんも楽しんで読んでいた。

(@`▽´@)/ ハイッ 仰る通りでした。
背景も情景描写も、思いっきりツボでした。
そして魔術ありでも、立派にミステリしてました。
理詰めで、立塞がる謎を崩していくのって
本来は苦手なんだけど、背景がしっかりしてるから
苦手意識を感じるどころではなかった。

自然の要塞であったはずの領主が住まう小ソロン。
民が住まうソロン島とは海で隔てられ、簡単に往来はできないはず。
しかし領主は、傭兵を募っていた。
領主の娘アミーナは、父の行動を不思議に思っていた。

しかし、放浪の旅を続ける騎士ファルクと、その従士のニコラに出会い、
領主が暗殺騎士に命を狙われている事を知り、集められた傭兵を領主に
引き合わせる時に、ファルク達を直接紹介することにした。
注意喚起はしていたのに、父は暗殺騎士の魔術に倒れた。

自然の要塞であったはずの小ソロンの領主の城で
領主を殺せたのは誰か?

首を切り落とさないと倒せないという「呪われたデーン人」の
襲来が近い中、ファルクと二コラはアミーナと共に
暗殺騎士の魔術によって、暗殺者「走狗(ミニオン)」にされた
無自覚の犯人を探すために奔走するのだが・・・

いやぁ~理性と論理は魔術をも打ち破る!と文中にもあったけど
本当に理詰めでの謎解きでした。
最後まで犯人の想像すらつかなかった。
ファルクの公開謎解き(○ ̄m ̄)の最後の方になって
ようやく、おかしいと気付いた(^◇^;)
っていうか、本人も犯人が自分だってわかってたんだよね?
そう思ったら、物凄く切なくなりました。

呪われたデーン人との戦いは、すっごくドキドキしたし
傭兵と雇い主との難しい関係もリアルだったし
時期領主でアミーナの兄、アダムの腑抜けなくせに
姑息なところには怒りさえ感じたし、色んな感情を
総動員して楽しめました。

なにより、ファルクと二コラの関係が、薬屋探偵を連想しちゃって
思いっきり和ませていただきました。
だって少年二コラは赤毛で、こっそりビスケット食べようとしてるし
まるでリベザルみたいで(頭の中ではリベザルになってました)
ファルクのことを師匠って呼んでるし・・・
小さな騎士にやられっぱなしでした(*´◇`*)

そういえば、捕虜のトーステンと、アミーナの侍女のヤスミナは
どうなったんだろう・・・
それが気になったのだが・・・

★★★★

絶叫城殺人事件/有栖川有栖


絶叫城殺人事件 (新潮文庫)
新潮社
有栖川 有栖

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ページ数:417p
発売日:2004年02月

「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、
口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。
残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場する
ヴァーチャルな怪物が―。
暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」
「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで
闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。
---------------------------
作家アリスシリーズ(火村英生シリーズ)
順番をちょっとすっ飛ばして読んでいるシリーズだけど
長編より、短編集の方が面白いと感じるのは気のせいか?
とりあえずは、手にしてないシリーズを揃えないと!

さて、【臨床犯罪学者 火村英生の推理】がドラマ化されたそうで
第一話が、絶叫城殺人事件とのこと。
キャストがイメージと全く違うので、ドラマは見ないけど
本は積んであったので、読んでみることにした(^◇^;)

「黒鳥亭殺人事件」
  大学時代の旧友に依頼され、彼が受け継いだ黒鳥亭を訪れる火村と有栖。
  黒鳥亭にある古井戸から遺体が発見されたらしのだが・・・
  事件そっちのけで、旧友の愛娘の真樹ちゃんに絵本を読んあげる有栖が
  微笑ましくて、「二十の扉」というゲームにも興味津々。
  結末は予想外でしたが、何にしても真樹ちゃんが無事でよかったぁ~

「壺中庵殺人事件」
  壺中庵とは、壺の中には仙人が住み、宮殿楼閣を成して
  山海の珍味を楽しむ桃源郷のような別天地があるといった
  中国の故事「壺中の天」に由来するそうです。
  いわゆる壺みたいな構造の部屋の中で、主人が自殺していた?
  という密室殺人ものです。
  この作品が、火村&有栖コンビとの初対面でした。
  いや、懐かしい。

「月宮殿殺人事件」
  ホームレスが廃材とかを集めて建造した月宮殿と呼ばれる
  3階建ての違法建築の豪邸。
  仕事の帰りに有栖は、1年前に見た豪邸を火村に見せようと
  思っていたのだが、それは焼け落ちた後で、ホームレスの住人は
  火事で亡くなったという。
  近くに住むホームレス仲間は、悪たれ4人組が放火したというが、
  4人組との話は食い違って・・・
  いやぁ~これも想像すらできなかったぁ~ 

「雪華楼殺人事件」
  病院のシーンから始まるから、一瞬、状況が呑み込めなかったけど
  雪華楼と呼ばれている、未完成のまま廃屋になった7階建ての建物に
  怪しげな男女が住み着いていたのだが、男が屋上から落ちて死んだらしい。
  しかし、転落の前に頭を殴られていたらしい。
  雪華楼には、もう一人の50歳前後の男がいたらしく・・・
  これも予想外の結果でした。

「紅雨荘殺人事件」
  紅雨荘と一般的に呼ばれている映画の舞台にもなった建物がある。
  本当の紅雨荘は別にあり、女主人が独りで住み、映画の舞台になった
  紅雨荘の方には子供たちが住んでいた。
  ある日、本物の紅雨荘で女主人が首を吊って死んでいたのだが・・・
  いやぁ~大掛かりがトリックに驚いたぁ~ 

「絶叫城殺人事件」表題作
  内容は、あらすじの通り。
  珍しく途中で犯人がわかってしまったけれど、きっと
  アタシがわかるくらいだから、みんな想像できたでしょう(^◇^;)
  わかるまでは、ドキドキしながら読んでいたんだけど
  一番驚いたのは火村の携帯の着メロだったかもしれない。


この短編集は結構気に入りました。
面白い内容だと、あっという間に読んじゃうんですよね(^◇^;)
そして、やはりアタシは推理が出来ないってことを痛感!
楽しめればいいんです!!

★★★★

リセット/北村薫


リセット (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:446p
発売日:2003年07月

「――また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、
穏やかに見つめてこういいました。
六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。
以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった
流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、
生命と生命を繋ぎ、琦跡を、呼ぶ。
---------------------------
「時と人」三部作の第3作

最初の2作「スキップ」「ターン」とは作風が違います。
読み始めは戸惑いましたが、これも切ないぃ~(ノ◇≦。)

太平洋戦争末期。
お嬢様学校に通う女学生の水原真澄。
厳しいながらも、そこは他とは違って裕福な部類なので
友人たちと青春を謳歌していた。
皆川博子さんの「倒立する塔の殺人」を思い出しました。
やはり裕福系のお嬢様学校では、似たような時間を
過ごしていたんだなぁ~と想像しました。

真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。
30数年に1度しか見られないという獅子座流星群を
いつかふたりで眺めたいと心に秘めていたが
戦争中において、その希望はあまりに儚過ぎた。
別れの寸前のシーンは、互いの想いを確かに伝えた。
この場面が、もう泣けて泣けて(´;д;`)ウルウル

やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半。
小学5年生の村上和彦は、学校図書館とは別に、
小学生に絵本や児童書を貸し与えている女性と知り合う。

いきなり主人公が入れ替わったから、驚いた・・・
けれど、獅子座流星群の到来まで、あと4年という時期・・・
これは偶然ではない?
村上和彦は、女性との関わりで、自分の知識にはなかったものを
なぜか記憶している事に気づく。
どうしてそんな事を自分は知っている?

そして、和彦と女性は気付いてしまう。
ここに琦跡が起こっていたことを。
けれど、琦跡の全てが幸せをもたらすものではなかった。
やがて悲劇が訪れ・・・そして・・・

都合がいいと言われれば、それまでかもしれないが
二人の想いが起こした琦跡を信じたくなります。
それほど優しさに満ちている。
いやぁ~最後の豪快な笑いが最高でしたねぇ~

リセットって、そういう意味だったのかと
納得して読み終わりました。

★★★★

ターン/北村薫


ターン (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:426p
発売日:2000年07月

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。
気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。
3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。
が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。
そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると
一日前の座椅子に戻ってしまう。
いつかは帰れるの?それともこのまま…
だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。
---------------------------
「時と人」三部作の第2作
Mirokuさんが言うんですよ。
これは絶対に好きな作品です。

スキップで理不尽で、残酷なのに、主人公の
前向きな姿勢に感動した。
が、やはり最後はちょっと嫌だったなぁ~
だから、期待度大で2作目を読んだ。
Mirokuさんのおっしゃる通りでしたぁ~

なんですの?これはぁ~!!
版画家の真希は、夏の午後に事故って、気が付くと
何故か自宅の居間で目覚める。
同じ町なのに、誰もいない。
まるで幽霊船のごとく、ついさっきまで誰かがいて
忽然と消えたかのような様子である。
そして3時15分になると、何をやっていても何処にいても
自宅の居間で目覚めるところから始まる。
真希命名「くるりん」現象である。

時に囚われながらも、真希は色んなことをやろうとする。
その細かい1日の行動が、とってもリアル。
買い物をするにも、どうせ元に戻るからという考え方をしない。
誰もいないから、別の世界だからとは考えない。
っていうか、そういうモラル的な事に考えがいかなかったわ。

そして最初から気になっていたのが、真希と会話する
声だけの存在。
多重人格の一種か?とも思ったけど、あまり語ると
ネタバレになるから、自由に想像しましょう。
とりあえずは、異世界に一人だけではあるけれど
声だけとはいえ、会話できる相手がいるってことは
完全に一人っきりとは言えないから、まだまし?

一番辛いのは、作品を作ろうにも、時間になると
「くるりん」と時間が戻ってしまう。
前向きな気力が削がれていく。
そんなある日、家の電話が鳴った。
なんと現実世界から真希にかけられた電話だった!!
しかも男から!!

芥川龍之介の蜘蛛の糸を連想しましたよぉ~
現実世界から1本だけ垂れ下がった細い糸
真希は確かに糸を掴んだ。
あとは登っていくだけ。
真希は現実世界に戻れるのか??って話に展開していく。

そこからの話がこれまた結構リアルで細かいのよ。
そうなのかぁ~って雑学系がちょっとあったり
現実と異世界での仕組みの違いとか
これは想像できなかった(^◇^;)
そしてこれまた必然的な展開になるんだけれど
切ない。何かの歌のフレーズがよみがえる
会えない時間がぁ 愛育てるのさぁ(知ってる?)

そして最後の怒涛の展開。
これには心臓バクバクしましたよぉ~
ヾ(-ε-; )ォィォィ 相手のことを考えろ!
余計なことをするなぁ~
o(>ロ<o) (o>ロ<)oバタバタo(>ロ<o) (o>ロ<)o
どんだけヤキモキさせられたことかぁ~

そして真希は気付くのです。
あぁ~いいわぁ~(*´◇`*)
やっぱりね、こうじゃないといけないですよねぇ~

まぁ~細かいところを突っ込むと感動が薄れるから
あえて気付かないふりをします。
声だけの存在の事とかね(^◇^;)
色々考えちゃったからさぁ~

そして完結編を読みます。
もう読んだけど(○ ̄m ̄)
読んですぐに感想を書かないと感動が薄れるんだよねぇ~

★★★★

スキップ/北村薫


スキップ (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:571p
発売日:1999年07月

まどろみから覚めたとき、17歳の〈わたし〉は、25年の時空を
かるがる飛んで42歳の〈わたし〉に着地した。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。
それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、
わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……
目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。
わたしは一体どうなってしまったのか。
独りぼっちだ――
でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。
---------------------------
「時と人」三部作の第1作
「面白いから読みなさい」とMirokuさんに言われたのに
6年積んでた??(; ̄ー ̄川 アセアセ
だってぇ~他に読みたいのがあったんだものぉ~

と、言い訳してみたものの、読んでから
何でさっさと読まなかったぁ~!!と後悔しました。
北村作品は、覆面作家シリーズを読んだだけ。
あのシリーズも好きだったけど、それとは全く違う。
っていうか、なんという話をこしらえてくれるのよ

17歳の一ノ瀬真理子が、途中で中止になったとはいえ
高校のイベントを切り上げて家に帰り、うたた寝して
目覚めたら42歳だった??
しかも、同じ年の娘と夫もいる?
一番楽しい時期をすっ飛ばして、人生で貴重なイベントも
すっ飛ばして25年後の自分の中にいた・・・

これ以上の恐怖はないでしょう。
自分が老けるなんて、想像すらできない
いつかはオバサンになるだろうけど、自分だけは
若いままでいるんじゃないのか?とまで思っている
それがティーンってもんでしょう。
こんな理不尽が許されていいのぉ??
ってな感じで、読みながらもパニクってしまった。

スキップして初めて顔を合わせたのが自分の娘。
そこに旦那が帰って来た時の反応・・・
わかるなぁ~
そして、25年後の自分は国語の先生だった。
普通なら逃げ腰になりそうなものだけど
自分に起こったことに納得はできなくても
生きていかなければならない。
そんな自分の状況をしっかり認識できている真理子。
そこに乗り込んでいける勇気。

まったくもって潔い。
中身は17歳なのに、同じ年齢の子に勉強を教える。
時代のギャップを感じながらも受け入れ
色々なハプニングを切り抜ける。
何て清々しのだろう。
お気に入りのシーンはフォークダンスだったりする。
今の時代、まだフォークダンスってやるのかな?
なんというか、あの雰囲気って独特なんだよねぇ

理不尽な出来事に、ただ嘆くだけでなく
切り抜けていく強さを持った真理子に感動しました。

そういえば、年をとると色々と面倒になってくる。
昔の行動力はどこに行った?と思ったりもするけれど
25年後の体の中に、17歳の心が宿るなら
きっと見た目もキラキラ輝いているんだろうと
想像したら、嬉しくなりました。

★★★+

動物園の鳥/坂木司


動物園の鳥 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:265P
発売日:2006年10月

春の近づくある日、鳥井真一のもとを二人の老人が訪ねてきた。
僕らの年上の友人でもある木村栄三郎さんと、その幼馴染みの
高田安次朗さんだ。
高田さんが働く動物園で、野良猫の虐待事件が頻発しているという。
動物園で鳥井が掴んだ真実は、自身がひきこもりとなった出来事と
どうつながるのか―。
鳥井は外の世界に飛び立てるのか。
-------------------------------
シリーズ完結編

動物園で野良猫の虐待事件が頻発しているという。
鳥井と坂木が動物園に向かうのだが、猫の虐待以外にも
問題を抱えている人がいて、更には、鳥井のひきこもりの
原因まで現れる。
動物園関係者も、引きこもりの原因の奴も
読みながら、こういう奴、いる!!と思ってしまった。

同じ言葉を話してるのに、言葉が通じない。
さもご立派な事を言ってそうで、当たり前のことしか言ってない。
こういう輩には近寄らないのが唯一の防御策。
だけど、そういう輩に限ってすり寄ってくる。悪夢だ!

今回も、新しい出会いがあるのだけれど
新しい輪の中から新しい繋がりが生まれたりして
こっちが嬉しくなってみたり。
鳥井のひきこもりの原因の奴に対して、坂木の反撃が素晴らしい。
このシリーズは鳥井に感情移入して読んでいたんだけど
坂木も傷ついていたんですね。
わかってはいたけれど、何もしなかったことに対して
自分を責めて傷ついて・・・
だからこその絶妙コンビだったのですね

最後はもう、泣きそうになりました。
電車の中だったので我慢しました。
涙を堪えると鼻水が出ます。
予防でマスクをしていたので、大丈夫だったけど・・・

二人の関係が途切れることを危惧していたけれど
卒業って、必ずしも別れに繋がるわけじゃないのねぇ
新しい関係を繋ぎなおすというか、築いていく。
なんとも優しい感動でした。

終わりたくないから始めないって考えを改めて反省しました。

★★★★

仔羊の巣/坂木司


仔羊の巣 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:318p
発売日:2006年06月

自称ひきこもりの友人、鳥井真一が風邪で寝こんでいたある日、
僕、坂木司は同僚から、同期の女性の様子がおかしいと相談を受ける。
慣れない探偵役をつとめた僕が導き出した解答は…。
また、木村栄三郎さんのもとで出会った男性と地下鉄の駅で
見掛けた少年の悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、
それらの真実を鳥井はどう解明するのか。
--------------------------
ひきこもり探偵シリーズ第2弾。

前作に続いて、引きこもりの鳥井と、鳥井を外の世界に
連れ出そうとしながらも、それを恐れるお人よしの坂木が
これまた問題を抱えている他人と出会うことで
小さな事件に巻き込まれ、謎を解決しながら1つまた
1つと繋がりが増えていくというお話。

器用なんだか不器用なんだかわからない。
鋭いのか鈍いのかもわからない。
坂木は鳥井をうまく飼いならし、鳥井は坂木信者である。
この特殊な繋がりで結ばれた二人が、どんな成長をみせるのか。

本当にこのシリーズは読みやすいから、すぐ読めちゃう。
感想が間に合わない(^◇^;)
今回も予想外のところでの繋がりが明らかになる。
人の縁って、面白いなぁ~

ただ、気になったのは巻末の有栖氏の解説。
鳥井が好きになれないらしい。
まぁ~普通に考えたら、どうなの?って性格だよね?
人当たりとか、目上の人に対しての態度とか・・・
ストーリーに気を取られて気付かなかった
っていうか、鳥井養護派になってたからねぇ~

終わらない関係というか、終わらないで欲しい関係というか
そういうことばっかり考えて読んでました。
だからと言って、鳥井を嫌いになるわけでもなく
有栖氏と同じようなことを思ってる人も
いるんだろうなぁ~と思ってみたり。
まぁ~そこは人それぞれなんだろうけど
3部作ということだから、どういう決着をつけるのか
楽しみに続きを読みます。

★★★★

青空の卵/坂木司


青空の卵 (創元推理文庫)
東京創元社
坂木 司

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ページ数:347p
発売日:2002年05月

僕、坂木司には一風変わった友人がいる。
自称ひきこもりの鳥井真一だ。
複雑な生い立ちから心を閉ざしがちな彼を外の世界に連れ出そうと、
僕は日夜頑張っている。
料理が趣味の鳥井の食卓で、僕は身近に起こった様々な謎を問いかける。
鋭い観察眼を持つ鳥井は、どんな真実を描き出すのか。
謎を解き、人と出会うことによってもたらされる二人の成長を描いた
感動の著者デビュー作。
------------------------------
ひきこもり探偵シリーズ:第1弾

初めましての作家さん。
ブロ友さんたちの評価が高くて、速攻で買ったんだけど
ずっと積んでました(^◇^;)
何故積んでいたんだぁ~って感じですよ!
これは好きです。大好きです。

日常系の謎ではあるけれど、ミステリというよりは
二人の成長?に、日常系の謎が絡んできて
その謎に関わっている他人だった人達との
新しい繋がりのお話でもある。

メインキャラはヒッキーの鳥井真一と、基本いい人の坂木司。
複雑な生い立ちとイジメで心を閉ざしていた鳥井に
坂木が手を差し伸べたというか、元々鳥井のような
一匹狼的な人にあこがれていた坂木が、弱っている鳥井に
つけこむように友達になる。
言い方は悪いけれど、形はどうあれ、それで二人の繋がりが
成り立っているのであれば、それはそれでいいのだ。
バランスが保てていればいいのである。

人が苦手で人の目が怖い。だからこそ、よく見ている。
鳥井の観察眼の鋭さは、こういうことなんだろう。
普段は他人に対して横柄な彼も、坂木に何かあると
パニックを起こして子供化する。
鳥井にとって、やっと手に入れた繋がり。
誰より何より坂木が大事。
依存とはちょっと違う二人の関係。

坂木も、そんな鳥井を外の世界に連れ出そうとしているが
鳥井が独り立ちするのを恐れてもいる。
矛盾した気持ち。

でも、そんな気持ちはよくわかる。
卒業生の気分というのかな?
あと半年で卒業という時期になると、仲のいい友達や
仲間との繋がりが途切れるかもしれないと不安になる。
新しい出会いもあるだろうけど、今の繋がりが一生続くなんて
ないんだという諦めにも似た寂しさに襲われる。

だから、絶対に自分から離れないだろうという鳥井の為に
仕事を選び、その存在が坂木をますますいい人にして
安定をもたらしているのではないかと
勝手に想像してみたり。

そこに問題を抱えた他人による小さな事件に巻き込まれ
そこから新しい繋がりが生まれていく。
なんとも羨ましい関係にワクワクします。
早速続きを読みますо(ж>▽<)y ☆

★★★★

とくさ/福島サトル


とくさ (角川ホラー文庫)
角川書店
福島 サトル

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ページ数:335p
発売日:2004年11月

新聞記者を辞めた「私」は、御溝と名乗る琦妙な男から
秘薬ニスイについて執筆を依頼されるが、
取材相手の死など不吉な体験をする。
実は、御溝は死者の言葉を呼び返そうとしていたのだ。
庭を覆い隠す木賊のように「私」の不安は増殖してゆく。
言葉の呪術的な力を駆使した「とくさ」
(第十一回日本ホラー小説大賞短編賞佳作)他、
新感覚ホラー四篇。
-------------------------
初めましての作家さん。

Mirokuさんのレビューを読んで、購入。
しかし、まずった・・・
コメントの返事を読まずに購入してしまった。
後悔しても遅い。だから積んでいた。
たまたま、幻想怪琦系が続いていたから勢いで読んでみた。
が、またもシャキっとしない作品に当たってしまった。
やっぱり・・・ε-(ーдー)ハァ

まいったなぁ~
ホラーといえば、ホラーなんだろうけど
抜け出せない悪夢を続けて見てるみたいな
そういう意味では怖いんだろうけど
ものすごくわかり難い

後からなんでそうなったのかって説明はある。
あるんだけど、その過程にする意味がわからん。
何かをにおわせたいんだろうけど
そこがずれている。
ゾワリとしない。

うあぁ~なんか嫌だぁ~って感じ。
そういう悪夢的な本は嫌だなぁ~
夢だけで勘弁してくださいって感じ。

文章も合わなかった。
入り込めない。
とにかく眠くなる。
脳みそが拒否してるんだなぁ~
つり革掴んで本を読みながら寝ちゃって
初めてガクっとなってビビった。
それくらい合わなかった(^◇^;)

目的というか、執念というか・・・
それでいて姑息で、なんというかやはり合わない。

レビューを参考に本を購入するときは、
コメントの返事を確認してからにします。
Mirokuさんの評価は信頼してますので(^◇^;)
いやぁ~参った参った(; ̄ー ̄川 アセアセ

★★+

裏庭/梨木 香歩


裏庭 (新潮文庫)
新潮社
梨木 香歩

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ページ数:412p
発売日:2001年01月

昔、英国人一家の別荘だった、今では荒れ放題の洋館。
高い塀で囲まれた洋館の庭は、近所の子供たちにとって
絶好の遊び場だ。
その庭に、苦すぎる想い出があり、塀の穴を
くぐらなくなって久しい少女、照美は、ある出来事が
きっかけとなって、洋館の秘密の「裏庭」へと入りこみ、
声を聞いた―
教えよう、君に、と。
少女の孤独な魂は、こうして冒険の旅に出た。
少女自身に出会う旅に。
---------------------------
久しぶりの梨木作品
読後、必ず心に残るものがあるので大好き。
人と人との繋がりや、見過ごしがちな些細だけど大切なことを
いつも教えてくれる。

今回は、主人公である照美と両親と、その母親(照美の祖母)と
更には帰国していた英国人一家の姉妹が、裏庭を通して
それぞれが気付かないふりを通すことでやり過ごしていた心の傷を
照美は冒険を通して、両親は照美がいなくなった事で
また、英国人一家の姉妹も、妹の死の後、目を瞑っていた事を
初めて向き合い成長するというお話でした。

ただ、冒険の旅の描写が淡々と描かれていて
それぞれの出来事や登場人物や、その役割など
後から思うと、そういうことかと振り返る感じで
いわゆる冒険をしているという壮大さに
欠ける気がしました。
感動がないわけではないんですよ。
銀の腕のところは、鳥肌立ちましたもの。

決してけなしているわけではなくて
壮大なファンタジーを期待しすぎてしまったので
ちょっと味気なく感じてしまったのですよ。
それぞれの出来事に意味があって、最後には感動が待っている。
傷の見せ方なんかも、なるほど考えてるなぁ~と
感心してしまったけれど、冒険の最中に、そういうことを
思ってしまう(物語の世界から自分が離脱してしまう)のが
アタシ的にのめりこめなかった要因だったのかも・・・

梨木さんの作品には、淡々としていながらも
その世界観や考え方に魅せられるのがたまらなくて
表面的にきれいなだけじゃない部分すらも
浮き上がらせて納得してしまう自分を発見するっていう
楽しみもあったりしたので、なんというか
特に冒険部分の背景が大きそうな割には
進むのが早過ぎて、想像が追い付かないというか
消化しきれないうちにいきなりクライマックスって感じで
置いてきぼり感が大きかった。

家守琦譚的な許容できる範囲の不思議を
求めていたからかもしれない。
だから、期待が大きすぎたので、ちょっと物足りなかったのが
とっても残念でした。

★★★

秋の牢獄/恒川光太郎


秋の牢獄 (角川ホラー文庫)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2010-09-25
恒川 光太郎

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ページ数:217p
発売日:2010年09月

11月7日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。
朝になれば全てがリセットされる日々。
この繰り返しに終わりは来るのか──。
表題作他2編を収録、圧倒的な切なさと美しさに満ちた傑作中編集。
------------------------------
秋というか、晩秋というか、この時期にはちょうどいい作品?
いやいや・・・心が乾燥してきたら、恒川作品を読む。
本当に裏切らない作家さんですよぉ~

「秋の牢獄」
  タイムリープものです。
  たまたま前回、いやぁ~なタイムリープものを読んだので
  またか?と思ったけど、さすが恒川氏。
  11/7を何度も繰り返している女子大生。記憶を残したまま
  朝には全てがリセットされている。
  そのうち、タイムリープ仲間が結構いることに気づくのだが
  北風伯爵とあだ名される謎の存在が出現すると、仲間がいなくなる。
  藍はタイムリープを抜け出せるのか?
  
「神家没落」
  春の夜、ほんの気まぐれに公園を抜けようとしたら
  古ぼけた民家に迷い込んでしまった。
  翁の面を被った家主は、青年を跡取りに指名すると消えてしまう。
  外に出ようにも出られない、家に囚われてしまった。
  自分の身代わりを立てないと抜けられない。
  決められた場所を定期的に巡っている古民家に
  前の家主と知り合いの人たちが各地で訪ねてきたり
  迷い込んだり・・・
  青年が身代わりに選んだのは・・・

「幻は夜に成長する」
  客から地獄を聞かされて、御簾を通して癒しの幻を見せる。
  そんな逃げ場のない毎日の中でリオは心に怪物を育てる。

  幼いころ、祖母と信じた人から幻を見せる力を使うことを教わる。
  祖母だと思っていたのは、とある教団の教祖だった。
本当の家に戻り、普通の生活を取り戻したはずだったが
  元教団関係者に拉致され、囚われの身となり・・・
  

それぞれの牢獄
牢獄というだけでイメージはよくないのだが、
3篇それぞれの牢獄に囚われた主人公が牢獄の中で何を考え
行動して、結果どうなったかというお話なのですが
主人公たちは何の罪を犯したわけでもなく囚われる
ある日突然訪れる怪異

あぁ~この世界観が恒川氏
ホラーというより幻想小説でしょう。
ホラー系もあるけれど(^◇^;)
その過程も結末すらも、想像を上回っていて、余韻を残します。
短編で読みやすく、あっという間に不思議な空間に
足を踏み入れた気になります。
やはり定期的に補充したくなります。

★★★★

玩具修理者/小林 泰三


玩具修理者 (角川ホラー文庫)
角川書店
小林 泰三

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ページ数:221p
発売日:1999年04月

玩具修理者は何でも直してくれる。
独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。
壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。
ある日、私は弟を過って死なせてしまう。
親に知られぬうちにどうにかしなければ。
私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。
現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―
その狭間に琦妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た
第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
----------------------
初めましての作家さんです。
これもMirokuさんのレビューを読んでチェックしておいて
ようやく読んだ1冊です。(↑クリック Mirokuさんのレビュー)

Mirokuさんのブログでよく目にする作家さんだったので
気にはなっていたものの、購入するタイミングもあって
随分と経ってしまいました。
前回、お近くの琦譚を読んで、脳みそが不思議怪琦系を
求めてきたので、読んでみたけど、マジで怪琦だった( ̄▽ ̄;)

表題作は、あらすじにもあるように、何でも直す。
その直す過程がホラーなのですよ。
これが玩具単品だけならいい。
この玩具修理者は、まとめて直す。
玩具でも元生き物でも、一旦バラバラにしてから組み立てる。
その様が妄想の翼を広げるとグロイ。
部屋の様子や、並べられたパーツを想像すると
物凄く怪琦で、臭いすら漂ってきそうでゾっとする。

子供が死んだ猫を直してもらうって発想は
わからなくもない。
が、死んだ弟を直すという理由が、子供の無知な感覚ではなく
親に知られないようにするためってことが
乙一氏の「夏と花火とわたしの死体」を連想してしまった。
子供って、殺したことよりも、親に知られる方が怖いって心理が
色んな事に共通してるようで、ゾワゾワします。

なんの脈略もなく、いきなり男女の会話から始まり、
話は過去に飛び、予想外の結末。
驚かせて、プッツリ終わる。いやぁ~~どうなっちゃうのぉ~
って感じです。こういうの嫌いじゃないです(^◇^;)
っていうか、これがデビュー作ってほうが恐ろしい。

そして、「酔歩する男」
こういうのが、一番怖い。抜け出せない恐怖って奴ですか?
最初は単純なタイムリープものかと思ったんだけど
そうじゃなかったです。
同じ日を繰り返すというものでもない。

読み始めは、小難しい単語とか出てきて、意味不明だったけど
全体像が見えてくると、精神的にこれほど恐ろしいことはない。
ちょっとした?間違いから時間に囚われ抜け出せない。
目覚めた世界が、過去なのか未来なのかわからない。
修正したはずなのに、修正されていない。
死ぬこともできず、現在に戻れない恐怖。
そして、最後の1行で・・・

いやぁ~こういう怖さが欲しくなったら
この著者の本を読めばいいというのがよくわかった。
精神的に追い詰められる系は苦手だから
普通の怪琦ものをチョイスしようと思います(^◇^;)

★★★

お近くの琦譚/地図十行路


お近くの奇譚 ~カタリベと、現代民話と謎解き茶話会~ (メディアワークス文庫)
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-25
地図十行路

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ページ数:310p
発売日:2014年07月

「――ねえ、こんな話を知ってる?」
この町では、古風な黒電話がそこかしこに置かれている。
そんな黒電話の向こうには、『カタリベ』と呼ばれる
黒いフードを被った謎の人物がいた。
噂話の怪異。
それが『本当のこと』になるこの町で、『カタリベ』の黒い糸に
導かれた少年と少女は、今日も琦妙な謎解きに挑む。
それは、『噂の語り替え』のために開かれる、すこし不思議なお茶会。
郷土を愛する皆様、この噂話を紐解くときは、
お茶請けに甘いものをお忘れなく。
--------------------
初めましての作家さん。
Mirokuさんのレビューを読んで
購入してたものをようやく読みました。

舞台は「異角(いづの)」と呼ばれる普通の町。
メインキャラは3人。
カタリベの招(まねき)と、異角立郷土祭事管理組合事務所の
所長代理のハル(温木晴生)、ハルの事務所が唯一の居場所になっている
女子高生のクロ(西来野久路)。

異角の町のいたるところに、ダイヤルのない黒電話が置かれている。
その黒電話は、カタリベに繋がる電話なのだという。
カタリベは黒電話を使って町の噂話を集めるという。
更に、運良くカタリベからかかってきた電話に出られれば、
彼が集めた異角の噂話が聞けるという。
異角の噂話・・・いわゆる都市伝説ということだ。

ただし、注意しなければいけない事がある。
カタリベの語る都市伝説は、やがて現実になる。
怪異に巻き込まれてしまった場合、噂話を語り替えてもらえばいいのだが
もちろん、条件付き。
その都市伝説が本物の怪異から生まれたものではなく、
偽物(誰かが作った話)であると見抜き、カタリベを納得させる事。
その分析の仕方も、お楽しみの1つだったりする。
ただし、噂話の真偽を見誤った時には、・・・

噂話の鑑定者は、異角を愛してやまない高校に行かずに働いているハル。
謎解き茶話会とは、噂の鑑定をする為に、3人が集まった時に
催されるお茶会を指している。
場所はカタリベの招(まねき)が決めるので、いつも違う場所である。

現代のカタリベと現代民話(都市伝説)
人前で語られていた話は、現代になって黒電話を通して語られる。
しかも、怪異は現実となる。
ホラーかと思いきや、そうでもない。
安心して聞ける怪異譚。

鑑定時にはハルの左手の小指に黒い糸が結ばれ、
その場を離れる事が出来なくなる。
小指の黒い糸・・・こういう儀式的な事がたまらない。

そして、カタリベの招が謎なのである。
間違いなく人ではない。
更に、どんなに暑くてもフードを目深に被り、
フードを捲り上げると・・・目隠ししてるしぃ~
しかも、ご丁寧に笑った目まで描いてある。
いかにも続きそうな感じのお話しなので
招きが、いつ頃からいるのかってのも気になるところ。

続編、激しく希望です!

★★★★

一角獣の殺人/カーター・ディクスン


一角獣の殺人 (創元推理文庫)
東京創元社
カーター・ディクスン

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訳:田中潤司
ページ数:350p
発売日:2009年12月

パリで休暇を楽しむケン・ブレイクは、美女イヴリンとの再会により、
“一角獣”をめぐる極秘任務に巻き込まれた。
そして嵐の中たどり着いた『島の城』では、目撃者のいる前で
怪死事件が発生。
死体の額には鋭い角のような物で突かれた痕が残っていた。
フランスの古城を舞台に、希代の怪盗、パリ警視庁の覆面探偵、
ヘンリー・メリヴェール卿が三つどもえの知恵比べを展開する。
---------------------------
本が手元に届いてから気づいた。
あれ?ディクスン・カーじゃなかったっけ?
間違えた?(; ̄ー ̄)...ン?
と思ったら、同一人物だったのですね。
無知でした(^◇^;)
有名なので読んでおこうと思ったんだけど
カーって密室の王者とか言われてなかったっけ?

本作は、ヘンリー・メリヴェール卿ものの長編4作目らしいが
密室は出てきません。
完全に選択ミス。しかも苦手なパターンだった。
一角獣ってのが気に入って購入したのが間違いだった。
タイトルに踊らされたのは何度目だ?(; ̄ー ̄川 アセアセ


ケンウッド・ブレイクが、語り手として物語は始まります。
ケンは、お気に入りの英国情報部員イヴリン・チェインと
一緒にいたいが為に、依頼を受けてもいないのに相棒のフリをして
一角獣をめぐる極秘任務に潜り込み、「島の城」へ行くことになるのだが
そこまでのドタバタがありえないというか何というか・・・
かりにも諜報部員だろう!!

そもそもは「一角獣」と呼ばれる秘宝の警護のはずだったが
それを狙う怪盗フラマンドとパリ警視庁の主任警部ガスケの対決が
話題になっていて、どうやら島の城に集まった10名ほどの客の中に
変装して紛れ込んでいるらしい。

そして殺人事件が発生!
なんとガスケ主任警部と思われる男性が階段から転落死。
額には一角獣の角で突いたような傷あとが残っていた。
階段転落時に誰かが近づいた様子もなく、
凶器も見当たらないという、不可能犯罪。

この不可能犯罪の謎だけでなく、怪盗フラマンドは誰だ?
って感じで物語は進みます。
むろん、犯人はフラマンドに違いない。
では、城の中にいる誰に化けている?
犯人探し兼フラマンド探しの為、それぞれの推理が披露されるが
衆人環視の下での殺人のはずなのに、目撃してる人のいた場所や
目撃したであろう瞬間が少しずつ違っていて
ものすごく混乱する。

現場の再現から何度も何度も同じ場面の話。
そこから矛盾点を探そうとしてるはずなのに
話が進めば進むほどわけわからん。
種明かしされても、o(゚◇゚o)ホエ?って感じでした。
これも苦手なタイプの話でした。

今度読むときは、ちゃんと密室の話にしようと思います
ハァε-(・´д`・,,)≡(A-´д-)ツヵレタ

★★★