リセット/北村薫


リセット (新潮文庫)
新潮社
北村 薫

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ページ数:446p
発売日:2003年07月

「――また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、
穏やかに見つめてこういいました。
六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。
以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった
流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、
生命と生命を繋ぎ、琦跡を、呼ぶ。
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「時と人」三部作の第3作

最初の2作「スキップ」「ターン」とは作風が違います。
読み始めは戸惑いましたが、これも切ないぃ~(ノ◇≦。)

太平洋戦争末期。
お嬢様学校に通う女学生の水原真澄。
厳しいながらも、そこは他とは違って裕福な部類なので
友人たちと青春を謳歌していた。
皆川博子さんの「倒立する塔の殺人」を思い出しました。
やはり裕福系のお嬢様学校では、似たような時間を
過ごしていたんだなぁ~と想像しました。

真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。
30数年に1度しか見られないという獅子座流星群を
いつかふたりで眺めたいと心に秘めていたが
戦争中において、その希望はあまりに儚過ぎた。
別れの寸前のシーンは、互いの想いを確かに伝えた。
この場面が、もう泣けて泣けて(´;д;`)ウルウル

やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半。
小学5年生の村上和彦は、学校図書館とは別に、
小学生に絵本や児童書を貸し与えている女性と知り合う。

いきなり主人公が入れ替わったから、驚いた・・・
けれど、獅子座流星群の到来まで、あと4年という時期・・・
これは偶然ではない?
村上和彦は、女性との関わりで、自分の知識にはなかったものを
なぜか記憶している事に気づく。
どうしてそんな事を自分は知っている?

そして、和彦と女性は気付いてしまう。
ここに琦跡が起こっていたことを。
けれど、琦跡の全てが幸せをもたらすものではなかった。
やがて悲劇が訪れ・・・そして・・・

都合がいいと言われれば、それまでかもしれないが
二人の想いが起こした琦跡を信じたくなります。
それほど優しさに満ちている。
いやぁ~最後の豪快な笑いが最高でしたねぇ~

リセットって、そういう意味だったのかと
納得して読み終わりました。

★★★★

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